【大会参加レポート】第79回富士登山競走山頂コース【初挑戦で完走】

2026年7月24日(金)、山梨県富士吉田市で開催された第79回富士登山競走・山頂コースに参加して参りました。

結論から先に。

はい、完走しました!ギリギリでしたが。

52歳でもいけるもんです。

備忘録も兼ね、大会参加レポートを綴ります。

大会に備えての練習内容なんかも一緒に紹介しますので、次年度以降参加を考えている方の参考になれば幸いです。

富士登山競走について

大会の概要

富士登山競走は、富士吉田市役所をスタートし、富士山の吉田口登山道を駆け上がる、その名の通り「富士山を走って登る」大会。

種目は、五合目までの約15km・標高差約1,480mを走る「五合目コース」と、山頂までの約21km・標高差約3,000mを登る

「山頂コース」の2種類があります。

五合目コースはクリック合戦さえ突破すればまぁ出場自体は可能。

完走だけを目標とするならば、それほど難しいレースではありません。

しかしながら山頂コースは全くの別物。

21kmという短い距離の中に約3,000mもの高度差が詰め込まれた他に類を見ない過酷なレースです。

ロードも登山も強くないといけません。

脚力、心肺能力、登坂力、そして最後まで諦めない精神力が試される、まさに「日本一の山岳レース」と呼ぶにふさわしい大会と言えるでしょう。

山頂コースは五合目コースを2時間20分以内に完走しないと出場権が得られません。最短足掛け2年かかるわけです。

五合目コースが予選、山頂コースが本選・決勝という感じですかね。

ちなみに管理人は一昨年に五合目コースを1時間59分49秒で完走しており、今年はBブロックからのスタート。

昨年はエントリー開始日を完全に忘れてました・・・

なお、1時間50分以内だとAブロック、2時間以内だとBブロックをゲットできるようです。

コースの特徴

マラソン大会HPによくある高低図。この大会の高低図がこちら。

富士登山競走HPより拝借。

まさに「日本一下らない」コース。スタートからゴールまで、登り一辺倒。

山頂コースは富士吉田市役所から市街地を走り、徐々に標高を上げながら馬返しへ。

その先は吉田口登山道に入り、舗装路から山道へと路面が変化します。さらに標高が上がるにつれて傾斜は厳しくなり、六合目以降は本格的な登山道。岩場や砂礫の急斜面もあるので、エリートランナー以外は、走るというより「歩いて登る」場面がほとんどでしょう。

標高約3,700mの山頂を目指すわけですが、序盤ではロードの脚力、中盤以降は登坂力と、異なる走力を求められるのが難しいところです。

サブ3のランナーでも山に入って撃沈したりしてますからね。

レース前

目標

他の大会なら大抵タイム目標を設定するところですが、この大会だけは別。

目標は「制限時間内での完走」それだけです。

グランドスラムの達成条件も完走だけで良いわけですから。それだけハードルが高いってことです。

そう易々と達成できないことは分かっていたので、数ヶ月前から大会に向けた練習を積んできました。

練習内容

関東に住んでいれば試走などもできるのでしょうが・・・なんせこちとら北海道の旭川在住。さすがに無理。

どのような練習をすべきか悩み、チャッピーに相談したところ「旭岳がベスト」とのことだったので、アドバイスに従い直近2ヶ月で4回ほど登りました。

旭岳はロープウェイがあるのです。

走って登り、下りはロープウェイで、の登り特化練習が非常に効果的だったと思います。

ロープウェイやリフトを備えた山が近くにある方は、ぜひ練習場所の候補にしてみて下さい。

また、旭岳は、砂礫ゾーンがあって、岩場があって、というのが富士山と似ているんですよね。高さはもちろんだいぶ違いますがかなり本番に近い練習ができました。

北海道からの参加者にはおすすめの練習方法です。

と言っても札幌からは結構遠いのですが。

とにかく、登りに特化した練習期間を設けるのが完走への近道だと思います。

作戦

過去参加者のYoutubeやブログを見ると、渋滞に巻き込まれない、というのが一つのポイントになりそうでした。

ということで前半重視。

馬返しまではしっかり走るという作戦で臨みました。

まぁ、実際は馬返し手前で少し歩いてしまったんですが。

馬返しまでの目標タイム1:00:00、五合目までの目標タイム2:05:00

という設定に。

このくらいでいけば、残りは得意の登山パート。歩き主体にはなるものの何とか時間内に辿り着けるかな、と考えました。

装備

シューズはかなり年季の入ったアシックス・ターサージール。もう8年くらい使ってて、ソールもかなり減ってます。

結果、このチョイスは大正解でした。

色々な考え方があると思いますが、管理人は

薄底のロード用で履き古したものが最適解だと思います。

厚底はロード部分は良いものの岩場の安定に欠けるし、トレランシューズを履いても砂地の進みづらさはロード用と変わりません。重たいだけ。

悪天候でもない限り、ロード用のソールで岩場では十分グリップしてくれます。

戦いの後。レース後の下り時に砂礫がメッシュに入り込み真っ黒に。
最後の花道を飾ってくれたので、これでお役御免にしました。

上はノースリーブシャツ。ドライレイヤーはファイントラック。下はミズノのマルチポケットパンツ。

日差しがキツいことがあるのでキャップは忘れずに。ついでに日焼け止めも塗っておきましょう。

持っていって良かったのが、250mlのHydraPakソフトフラスク。

この大きさならマルチポケットに収まるし、歩きながら少しずつ飲めるのでわずかでも時間の節約になりました。下山時にも重宝します。

ジェルは3つ持ちましたが、使ったのは2つでした。フルマラソンで携帯する数と同じで良いのではと思います。

下山時用の防寒着も持っていきましょう。ソフトシェルならマルチポケットに入ります。

グローブは一応持ちましたが、結局使わず。手をついて登る場面は間違いなくありますが、素手でも問題ありませんでした。軽量化にこだわる方はなくても良いかと。

その他、ガスター10とお守り代わりのストッパを。

あと、忘れてはいけないのが「現金」です。

これがないと山頂でひもじい思いをします。ビールやらカップラーメンやら各種お土産やら、富士山頂には思ったより色々なものがあるので数千円は持っていきましょう。物価は高いです。

軽さ重視で1000円札を数枚持っていきましたが、小銭を持つことを強くお勧めします。途中のトイレを使う場合必要となります。

たとえ登りでは使わなくとも、下りのことも考えると多くの方が山中のトイレを使うことになると思います。管理人は山頂で買い物をして小銭を作りました。

アクセス

前日受付がないのは楽ですね。

羽田から新宿、新宿バスタから宿までバスで向かいました。

新宿からのバスは事前予約しておいた方がベターかも。管理人は予約しなかったのですが、インバウンド観光客がびっしり。満席でした。

しかも隣がなかなかボリュームのある方で益々窮屈。

近くの宿はほとんど旅行会社に抑えられているようで、管理人が宿泊したのは山中湖畔の宿。

会社の福利厚生サイト経由で取れたので宿泊自体はかなり安いのですが、富士吉田市役所までは遠く、レース当日は朝早いのでタクシー利用が必須です。素直に旅行会社のプランに乗っかる方が良いのかもしれません。

コンビニで夜飯と朝飯、少量のビールを買ってホテルへ向かい、早めに就寝。

レースレポート

スタート前

いよいよやって参りました。2年ぶりの富士吉田市役所。

少しでも前方に並びたかったので、早めにトイレを済ませ道路脇で待機。

曇りでスタート地点から富士山は拝めなかったものの、時間が早いこともあり日差しが気にならなかったのは幸いでした。

恒例のえいえいおー、今年は宮下さんの娘さんが登場!

お父様に毎年連れてこられてはや20年、今年はビールを楽しめる年齢になったとのこと。選手から拍手が送られます。

それにしても20回の完走ってすごい。

後から気づいたのですが、女子は全員AかBなんですね。強者ばかりなのかとビビっていましたが、いざ走り出すと、あれ?という方もかなりいたものですから。

さぁ、スタート!

スタート〜馬返し

Bブロック前方だと、タイムロスはほとんどなし。スタートをくぐるまで10秒かからないくらいです。

前方は基本的に早い人ばかりなので、あまりストレスはなし。

ここで少しでも前に出ようと、歩道を走る方が散見されますが、自重しましょう・・・

気温は高めですが、このくらいは許容範囲内。

これなら全走りで馬返しまで行けるか?とも思いましたが、そう甘くはありません。

だんだんとキツくなる傾斜に耐えきれず、手前で少し歩いてしまいました。

馬返し通過は1:02:23。

馬返し〜五合目

ここから心配になるのが渋滞ですが、少しスピードが落ちる地点はあったものの、止まって動かないということはありません。良かった。

1時間5分以内に馬返しに到達すれば、少なくともひどい渋滞は回避できると思います。

残念なのは、前がつかえているのに無理やり追い抜きをかけるランナーがいること。みんな並んでるんだからこれはやめなさいって。

追い越しができるポイントが無いわけではないので、皆がマナーを持って走りたいものです。

管理人も一昨年の五合目コース完走時よりも5分ほど遅いですが、ここからが本番。出し切るのはまだ早い。慌てず進みます。

五合目通過は2:04:13。

五合目〜八合目

エイドでは飲み物以外にフルーツ等もあり、たっぷり充電します。

ここからは未知の領域。

森林もなくなりガラッとコースの表情が変わると同時に、サーフェスも激変。

砂地は進みにくい・・・

ここからゴールまではほとんど走らず、全歩きに近かったと思います。

八合目通過は3:51:45。関門閉鎖まで8分ちょいしかなかったのか。もしかしてゴールは微妙か?

八合目〜山頂ゴール

時間に余裕がないことはわかっていましたが、もはや山小屋前の平らなところでも走れません。

酸素が薄いせいが、ボーッとします。ただ、止まってしまったらかなり厳しい。ゆっくりでもとにかく足だけは動かし続けます。

上を見上げると、白い鳥居が。さらに上からは歓声が。

あそこがゴールだ。いけそう。

そのまま止まらず登り続け、ついにフィニッシュ!

4:26:41。

間に合った。やった。

レース後

ギリギリで駆け上がってくるランナーが多くいるため、ゴール地点で余韻に浸るまもなくそのまま前へ。

おかげで山頂標識で写真を撮り損ねてしまいました。

でもビールはすぐ買いました笑
1,000円となかなかの値付けですが、この場所なら妥当でしょう。美味かった!
その他の食べ物も山頂価格。3〜4,000円くらいは持っていった方が安心です。トイレにも必要だし。
カップヌードルを堪能しているランナーが多くいました。

しばし休憩した後、下山します。バスのタイムリミットもあるので、あまりゆっくりもしていられません。

まぁ疲れてはいますが、登りと使う筋肉は違うし、何より感想を果たしてのウィニングラン。足取りは軽やかです。

ただ、五合目までは2時間程度かかるので、山頂で水を入手しておくのが良いかも。防寒着も着ると良いです。

この辺りはずっと携帯が繋がるのが嬉しいところ。グループLINEに完走報告をすると皆が称賛してくれるのがとても嬉しい。

五合目からはバスに乗り、富士北麓公園へ。着替えて宿へと向かい、改めて祝杯をあげました。

レース翌日、宿泊ホテルから見た富士山。
この山を自分の足で麓から山頂まで登ったと思うと感慨深い。

リザルトからの分析などなど

完走率

2026年の完走率は約34%とのこと。例年に比べると低めの数値。

ただ、確かに扱ったものの、天候はそこまで過酷ではなかったと思うんですよね。

完走率が低いのは、富士クライムランからの流入組が増えたことによる影響が小さくないと思っています。

富士山クライムランは富士北麓公園~吉田口登山道〜五合目の約12㎞。標高差は約1200m。

富士登山競走五合目コースは富士吉田市役所~吉田口登山道~五合目の約15㎞。標高差約1480m。

距離も標高もだいぶ違います。両方に出たことのある方のブログを読むと、クライムランの方がかなり楽だと。

クライムランを経て出場した人が完走率を押し下げた感があります。

山頂コース出場のみが目的ならばクライムランを使うのはありですが、山頂完走を狙うのであれば、五合目コース経由で権利を得るのが王道かと思います。2時間で走れればBブロックだし。

完走タイム分布

後日、ランネットに大会記録グラフが出ていました。

実に完走者の半分近くが、リミットまであと15分のゾーンに滑り込みゴールしています。

管理人も含め、皆ギリギリのところで戦っていたわけです。

一方で、あと一歩のところで涙を飲んだランナーも数多くいたのでしょう。

管理人も、かつてこれほど関門時間を意識したレースはありませんでした。

でも、だから良いのです。

ウェーブスタートにすべきだ、とか、渋滞で本来の走力を発揮できない、不公平だ、などと仰る方がいるようですが、それも含めて富士登山競走だと思っています。

渋滞にハマらないくらいのスピードで馬返しまで走れば良いだけのことです。Eブロックスタートでも完走している人はいるわけですから不可能ではありません。

ずっと皆が憧れる、ハイレベルな大会であり続けて欲しいと思っています。

運営、ボランティアの皆様、応援いただいた皆様、ありがとうございました!