【大会参加レポート】ハセツネ30k 2024
2024年3月31日、東京都あきる野市で開催されたハセツネ30kに参加してまいりました。
いやー、キツかった。そして楽しかった!
大会の様子、レースレポートをお届けします。
ハセツネ30kについて
大会の概要
奥多摩山中で行われるこのレース、ジャンルとしてはトレイルランニングに分類されますが、かなりスパルタンな類になります。
トレイルランニングの最高峰とも言われ、毎年秋に開催される『日本山岳耐久レース長谷川恒男Cup(ハセツネCup)』の入門大会として位置づけられています。
入門といいながら、その実かなりタフな設定。トレイル率は高いし、途中にエイドはないし、HPには救急車を呼んでもすぐに来ないとの記載まであります笑 まぁ山の中ですからね、間違いない。
道迷いや滑落による遭難の危険もつきまとうので、ココヘリの加入も必須(レンタル有り)です。
自然の中でのんびりワイワイ楽しみたい、なんて人には向きませんが、自己の実力を試したい、ハイレベルなレースに挑みたい、という方にとってはうってつけのレース。
尚、この大会で完走し、男子500位以内、女子50位以内に入った場合、特典としてその年のハセツネCupへの優先エントリー権を獲得できます。
参加定員は1,600名なので、およそ上位3分の1にくいこむ必要あり。
挑戦意欲を掻き立てられるレースと言えるでしょう。
コースの特徴
舞台は東京都奥多摩山域、戸倉三山を中心としたコースです。
東京都内にこんな大自然が広がっていること、ご存じない方も多いのでは?
以下、HPより拝借したコース図です。
秋川渓谷リバーティオ→西戸倉登山口→城山→荷田子峠→グミ御前→臼杵山→第1関門(小坂志林道)→ゴロハチ林道入口→市道山→第2関門(入山峠)→今熊神社→秋川渓谷リバーティオ
と反時計回りに大きく1周します。
高低差は以下の通り。
管理人のガーミン実測では累積標高2,065mでした。制限時間は7時間。
距離の割に緩やかなんじゃないの、と思ったら大間違い。
30kmというのはあくまでGPS計測での「平面距離」です。
ガーミンで「沿面距離」をオンにすると、標高変化と地面での水平移動の両方を使って移動距離を測定してくれるのですが、管理人ガーミンでの実測値は・・・37.06kmでした。
ジグザグに走ったりもするので長めにカウントされるとはいえ、実走距離は30kmをはるかに超えるので、そのつもりでいないと途中で心が折れます。
特に前半は急で長い登り基調。実力不足のランナーは容赦無く関門で止められてしまいます。
レース前
事前の練習
シリアスランナー向けのガチレースであり、付け焼き刃の作戦なんぞ通用しないであろうことは承知済み。
管理人なりに練習はしてきました。
3月半ばまではフルマラソンの大会が多いのでどうしてもロードの練習がメインになってしまうのですが、そんな中でも月に1〜2度程度は奥多摩や奥武蔵、丹沢に足を運び、山中を走るようにしていました。
使う筋肉が全く違いますからね。
また、レースコースの試走も2回実施。市道山登山口から小坂志林道、ゴロハチ林道区間は走れなかった(私有地であり、所有者のご好意で日祝に限りコースを解禁している)ので全てのトレースはできていないのですが、走れる区間、追い抜きポイント、我慢するポイントなどはしっかり把握できました。
どのくらい水を持っていくべきか、実際に体感できたのも大きかったですね。試走していなかったら本番で水不足に苦しんでいたかもしれません。
関東近辺にお住まいの方は、ぜひ事前に試走しておくことをおすすめします。
作戦
過去のレースレポートを見ると、城山の登りシングルトラックでどうしても渋滞が発生するとのことで、それまでになるべく前に行っておきたいところ。
管理人は第2ウェーブスタート。「なるべく早く会場に到着し、できるだけ前の方に並んで、前半飛ばして渋滞をなるべく避ける」ってのが作戦です。
渋滞待ちの間休めるので、そこまでは多少オーバーペースくらいで行くってことで。
・・・まぁ、この作戦は最初からつまずきましたが笑
後ほど書きます。
装備
ハセツネ30Kではマスト装備とされているものがあります。
・水1.5リットル以上
・登山用レインウェア上下(縫い目をシームテープで防水加工したフード付きのもの)
・行動食
・ココヘリ(レンタル有り)
3月末にも関わらず、当日はかなり暑くなりそうとの予報。なので水分は規定よりも多めの2.3リットルほどを持ちます。
ADV SKIN付属のソフトフラスク500ml2本プラス背中にハイドレーションを装備しました。
レインウェアは手持ちのワークマン製。安いものですが条件は満たしているので問題ないでしょう。
一流メーカー品は高いので中々手が出ず・・・ロングレースに出るときに購入検討します。
寒さの心配はないので防寒着兼用にします。
足元はアルトラローンピーク7。
その他100均手袋と最低限のファーストエイドキット。
行動食は大福、カロリーメイト、エネルギージェル。これらは全て走りながら取り出せるように、前側のポケットに入れました。
レースレポート
会場へのアクセス
日帰りで行けるのはありがたいとは言え、品川区の管理人宅からは2時間半近く要します。
始発で向かい、最寄りの武蔵五日市駅に着いたのは7時15分。
そこから会場までは歩いて25分ほど。7時40分頃に会場の秋川渓谷リバーティオに到着しました。
スタート前
まぁスタートまでは時間あるし大丈夫だな・・・と思っていたのですが、何やら長蛇の列が。不穏な予感。
どうやら、装備チェック待ちのようです。
これを受けなきゃ話になりません。仕方なく並びますが、これが中々進まず。
待つこと約20分、ようやく装備チェックを受けることができました。
シームテープや行動食などもきっちり目視確認しておりました。
他の大会ではスルーされることも多いのですが、さすが伝統のハセツネ。
なお、装備チェックは当日以外に都内や飯能の登山専門店などで事前チェックを行っています。
管理人も事前確認に行っておけば良かったと後悔。スタート直前の朝の20分はとっても貴重ですからね。
事前チェックを受けることができる近郊にお住まいの方は行っておくことをお勧めします。
時間は既に8時を回り、スタートまで30分。まだ着替えもトイレも終わってない。やばい。
急いで着替えをし、荷物を預けトイレを済ませると、既に時間は8時20分過ぎ。第2ウェーブスタートまで10分もありません。当然並びはウェーブのかなり後方。スタート前から作戦失敗笑
尚、ITRAのポイント(パフォーマンスインデックス?)を持った選手が第1、第2ウェーブに入れる模様です。
ま、兎にも角にもスタート。快晴で暑くなりそう。
スタート〜臼杵山(約9km)
短い住宅街を抜けると、まずは足ならしの短いトレイル区間。ここを抜けると再び短い住宅地のロードに出ます。
ここで第2の作戦発動。この後の登り区間渋滞を少しでも回避するため、スピードを上げます。けっこうな登りもあるので歩いているランナーもいますが、どうせ後で止まるので、ここは頑張りどころです。
そして城山入り口到着。案の定渋滞。体力回復タイム。
スタッフの話によると渋滞は始まったばかりとのことなので、第1ウェーブか第2ウェーブ前方ならもしかすると止まることはなかったかもしれません。やっぱりスタートは大事だったか・・・
まぁ仕方ない。気を取り直していきましょう。まだまだ先は長いからね。
ここから臼杵山山頂までは、コース中最も長い登りとなります。試走時にも中々ハードだな、と感じた区間。
基本シングルトラックなので、前が詰まっても我慢して止まる、という状態が続きますが、気になったのは後方からくる第3ウェーブの速い人達。
一応追い抜く時は「すみませーん、通りまーす」と声はかけていくものの、順番を守って我慢しているランナーも多い中、これはアリなのか?とは思いましたね。
この後追い抜ける場所もたくさんあるのに。
まぁ管理人も前が遅くて少しイライラする場面はあったんですが・・・でもマナーは守りつつ臼杵山山頂到達。おかげで結果的には後半に力を残すことができました。
ここがコース内でも最も標高が高い地点ですが、快晴なので暑いくらいでした。
臼杵山〜小坂志林道(13.5km)
短い登り返しはあるものの、この区間は基本下り。まだ前半で体力があるので元気に下ることができます。
景色が開けている箇所もあるので気持ち良い。
下りではありますが、コース幅が広い箇所もあるので追い抜きもできます。
小坂志林道〜醍醐峠(17km)
下り切った小坂志林道が第1関門。スタートから3時間45分が制限時間です。
管理人はここまで約2時間半ほどで到達。
この区間は林業の行われる私有地でもあり試走時通行止めだったので、初めて通る区間でした。
関門通過後しばらくはほぼ平らな林道が続きスピードも出るのですが、その後16km地点から始まる「ゴロハチ林道」ここが非常にキツかった。
その名の通り大きめの石がゴロゴロしており、進みにくい上にかなりの急登。
急激に周りのペースが落ちていきます。
道幅は広いので、体力温存していたランナーはここでごぼう抜きも可能。
そして、この辺りから水分残量が気になってきます。
2.3リットルほど持っていた水&ポカリが、このあたりで半分ほどになりました。少しだけ節水を意識しながら進みます。
醍醐峠〜入山峠(23km)
この辺から写真を撮る余裕はなし・・・
アップダウンを繰り返しながら、稜線上を進む区間です。
一つひとつのアップダウンは短いのですが、とにかくその数が多い。心が折られそうになります。
入山峠が第2関門。スタートから6時間5分がリミットです。
入山峠〜フィニッシュ(35km)
入山峠を越えると、後は下り基調。
心肺的には楽なはずですが、この下りがキツい。
暑さのせいか、若干意識が朦朧、フラフラ。
立ち止まりはしなかったものの、大幅にスピードダウンしてしまい、この区間でかなり抜かされた気がします。元々下りが不得意なのもありますが。
今熊山を降りると、新多摩変電所が見えてきます。
ずっと山の中を走ってい他ので、人工物を見ると逆にホッとするという不思議な気持ちに。
あきる野の住宅街に戻ってくると、沿道からは多くの声援が。嬉しい。
元気をもらい、最後は少しスピードを上げてフィニッシュ。何とか無事帰還と相成りました。
フィニッシュタイムは5時間27分32秒でした。
レース後
フィニッシュ後も暑くて暑くて。
サーティーワンのアイス自販機があったので思わず購入。
しばらく完走の余韻に浸ったあと、会場を後にしました。
電車組だと、近くに行ける温泉がないのが残念。
車で来る方は「秋川渓谷 瀬音の湯」が圏内だと思います。
まとめ
後日HPを見ると、出走数1,356名に対して完走者951名、完走率70%だったとのことです。
暑かったし、熱中症になった方もいたかも知れません。救急車来てたし。
水分はぜひ多めに持っておくことをお勧めします。たしかに重いものの枯渇したら致命的だし、心配しながら走るのもストレスですからね。
水切れで泣く泣くリタイア、って人もいたんじゃないでしょうか。
ランネットの大会レポを見ると、リタイア後のケアがないだの、色々文句を言っている輩もおりますが、山のレースは基本自己責任だと思っています。主催者に色々求めるのはちょっと違うかなと。
伝統ある、硬派な大会。こんな大会があっても良いのです。
フルサポートを求めるのならそのような大会のみに出れば良い話です。
また、改めて感じたのは、ロード以上に周りに配慮する必要性。
シングルトラックで無理に追い抜きをかけたり、後ろに渋滞を作っているにも関わらずマイペースで進み続けたり・・・
速い人もそうでない人も、周りの様子をよく見て、皆が気持ちよく走れれば良いですよね。
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