ランナー視点で筋肉痛について考えてみた
先日管理人が参戦した「ピンネシリ登山マラソン」。その名の通り通常のマラソンとは異なり、往路はひたすら上り、復路はガシガシ下るという鬼コースでした。
そんなコースですから、普段平地で走る分には使わない部位の筋肉がめちゃくちゃ酷使されてしまったのは認識していたのですが、大会翌日の午前中くらいまではまぁそんなに大したことはなかったんですよ。割と普通に歩けたし。
ところが午後位からだんだんと太腿前面の痛みが増し、翌々日には筋肉痛がMAX状態に。階段を降りるたびに呻き声があがるくらいのレベルでした。
痛みに襲われながらふと思ったのが、
「何で走った翌日より翌々日の方が痛いんだ?」
ということ。
普通に考えれば時間が経つにつれだんだんと痛みは和らいでいきそうなもんですが、2日目より3日目の方が酷くなるとはこれいかに。
というわけで、原因について調べてみることにしました。
筋肉痛とは
そもそも筋肉痛とは何なのでしょうか。
筋肉痛とは運動に伴って起こる筋肉の痛みです。一般的には、運動が終わった数時間後から翌日~翌々日というように、時間を置いて起こる「遅発性筋痛」が、「筋肉痛」と呼ばれています。慣れない運動を行ったとき、普段使わない筋肉を使いすぎた場合などに顕著に現れます。
第一三共ヘルスケア くすりと健康の情報局
ちなみに痛みの原因は、ハードな運動によって筋繊維が傷つけられ、それを修復するときに炎症が起こることで生じているというのが有力な考えらしいのですが、実は
医学的にははっきりと解明されていない
ようです。こんだけ医学は進歩しているのに、こんな身近な現象の原因が不明だんて、ちと意外。
遅れてくるのは年のせい?
よく言うじゃないですか。年を取ると筋肉痛が遅れてくるって。
だから、今回翌日よりも翌々日の方が痛かったのは、老化が進んだからか?と考えてしまいました。認めたくないですが、世間一般的なカテゴライズでは間違いなくオッサンですから。
ただ、これについても
加齢と筋肉痛の遅れの関係は定かではない
というのが現状のようです。
早く来る、遅く来るというのはむしろ日頃の運動習慣や運動強度の影響の方が大きいと考えられているみたいです。
日頃から運動習慣のある人の筋肉は毛細血管がよく発達しているため、血液循環によって必要な酸素や栄養素を取り込むのと同時に、痛みを引き起こす物質を排出する能力も高くなります。 毛細血管を発達させるためにLSDを行っているランナーの方も多いことでしょう。
それに対してあまり運動しない人や、運動していても普段あまり使わない筋肉は毛細血管の働きが不十分なため、筋繊維の修復や痛み物質の排出に時間がかかり、結果筋肉痛の出現も遅くなる、ということのようです。
年齢と明確な関係があったとしたらショックだったので、少しホッとしましたよ。
マラソン・ランニングで筋肉痛になりやすいのは「下り」
でも、普段フルマラソンなどのレースに出たくらいでは、中々ここまで酷い筋肉痛にはなりません。やはりアップダウンのコースが大いに影響しているはず。
上りも大変だけど、そんなにスピードは出せないし、やはり速度が出て、体重が掛かる下りの方が足にかかる負担が大きいことは経験則的に分かってはいましたが、そこも調べてみました。
どうやら筋肉の運動は大きく3種類に分けられ、それぞれ筋肉痛の起きやすさが違うようです。
・短縮性(コンセントリック)運動
「筋肉を縮めながら力を発揮する」運動で、マラソン・ランニングの上りや重い荷物を持ち上げる動きが該当します。
・伸張性(エキセントリック)運動
「筋肉を伸ばしながら力を発揮する」運動で、マラソン・ランニングの下りや重い荷物を下ろす動きが該当します。
・等尺性(アイソメトリック)運動
「筋肉の長さが変わらない状態で力を発揮する」運動で、腕相撲や腕立て伏せをキープした状態が該当します。
この中で最も筋肉痛を誘発しやすいのは、「伸張性(エキセントリック)運動」。パワーを出力しながら同時にブレーキをかけるような動きになるため最も負担が大きくなります。
膝への衝撃の心配もあって、下りは確かに気を使って走ってましたが、筋肉への負担もやはり大きいのですね。
筋肉痛の時でも走ってよい?
これが結構悩むところだと思うのですが。
筋繊維が傷つけられた状態だからケガみたいなもんで、回復するまで走るのは控えた方が良いかも、とも思いますよね。より痛みが悪化しそうで。
結論からいうと、走ってもOKです。ただし、ほどほどに。
走ることで血流が良くなり老廃物の排出が促されると共に、筋肉の修復に必要な栄養素の供給も早まるので、ジッと黙っているよりも回復が早まります。
「血行を良くする」意識程度のごく軽い負荷のジョギングがベストですね。
ただし、肉離れを起こしてしまった時などは話が別。この場合はしばらくおとなしくしてましょう。
筋肉痛を和らげる・早く回復させるためのその他対処法
そのうち収まるのは分かっちゃいるけど、ランナー心理としてはできるだけ早く回復させたいですよね。痛いのヤダし、あまり練習の間を開けると不安になるし。
軽いジョギング以外に筋肉痛緩和に効果的なこととしては、
アイシング
マラソン後の風呂はとても気持ちよく管理人も大好きですが、湯舟に直行、ではなくその前に一度冷やすというプロセスを取ると回復が早まります。筋肉が持っている熱を取り除き、炎症を抑えるのが目的です。
北海道マラソンなど、夏場の大会ではアイシング用の氷嚢を配布していることもありますが、シャワーで冷水を掛けるだけでも効果があります。
タンパク質摂取
壊れた筋繊維を修復するためには材料が必要。材料はタンパク質です。なので運動後は速やかにタンパク質を補給するのが効果的。管理人も負荷の高いトレーニング後にはよくプロテインを飲んでます。ちなみに一番使っているのはこちら。スポーツショップやドラッグストアなら大抵どこにでも置いてます。
また、そのタンパク質の基となっているのがアミノ酸。タンパク質の最小単位です。そのため体内での分解が必要なく、すなわち吸収が早いということになります。吸収しやすいから、運動後のみならず運動中の摂取も効果あり。
アミノ酸の中でも分岐鎖アミノ酸(BCAA)と呼ばれているバリン・ロイシン・イソロイシンは体内でつくることが出来ない重要な栄養素と言われています。
管理人が使っているのはこいつです。
小分けの袋入りで、レース中携帯しても邪魔にならないので、是非試してみてはいかがでしょうか。
ランナーにとっては避けて通れないのが筋肉痛。でもこいつを幾つも乗り越えてこそ強くなるってもんです。うまいこと付き合っていきたいものですね。
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