箱根駅伝区間新記録続出の立役者はやはりこいつだった【ナイキヴェイパーフライネクスト%】

2020年11月19日

いやー、年末から年始にかけて、駅伝が面白かったですねー。

おせちを食す以外大してやることのない管理人は、テレビばっかり見てました。(走れよ)

高校駅伝からはじまり、年末の全日本大学女子駅伝、元日のニューイヤー駅伝、そして何といっても箱根駅伝。青学はやっぱり強かった!おめでとうございます!

そして、ずっと眺めていて今年どうしても目がいってしまうのは、やはり足元。

そう、厚底のアイツです。

高校生から実業団選手まで、揃いも揃って履いているのはピンクか黄緑、もしくは左右色違い(右がグリーンで左がオレンジ)のシューズ。全選手の8~9割くらいを占めているのではないでしょうか。これらは全部同じシューズです。

今や完全に駅伝界、そしてマラソン界を席巻している、ナイキの

ヴェイパーフライネクスト%

です。

ヴェイパーフライネクスト%とはこんなシューズ

すっかり有名になったこのシューズですが、ここでもう一度どのようなシューズかおさらいを。

ナイキのヴェイパーフライシリーズは、この『ネクスト%』が3作目。

2017年に『ヴェイパーフライエリート』が発表され、ケニアのエリウド・キプチョゲが「BREAKING2=フルマラソン2時間切り」のプロジェクトにこのシューズで挑み、非公式ながら2時間00分25秒という驚異的な記録をたたき出したことから注目を浴びるようになりました。

その後、『ヴェイパーフライ4%』が市販され、世界のエリート選手がこぞって使用し、好記録を連発。

日本でも設楽悠太選手や大迫傑選手がこのシューズで日本新記録をマークするなどして俄然注目を浴びることになります。

定価で26,000円というランニングシューズとしては割高な価格設定にも関わらず、大人気であっという間に入手困難に。オークションやフリマサイトでは50,000円以上で取引されていたこともありました。

その後、改良版の『ヴェイパーフライ4%フライニット』を経て、2019年4月(日本国内では7月)に発売されたのが、『ヴェイパーフライネクスト%』です。

前作まではその性能こそ高く評価されていたものの、高性能すぎて、履き手を選ぶシューズだったのですが、今作ではかなりのアップデートが施され、クセの少ない・使いやすいシューズに変わったとのこと。

特徴は何といっても厚底のスタイル。

軽さとクッション性という、ランナーが求める相反する要素を両立させるために、ミッドソールに航空宇宙産業で使う特殊素材に由来するフォーム「ズームX」を採用しています。

さらに、推進力をつけるためミッドソールの中に反発力のあるスプーン状のカーボンプレートが仕込まれています。フォアフットで着地するとこのカーボンプレートが曲がり、元に戻ろうとする力が脚を前への推進力に変わる、という理屈です。

何だか、ドクター中松のフライングシューズを彷彿させます笑

高性能の代償として、耐久性は極めて低く、約400kmがレースでの使用限度とのこと。F1用のタイヤみたいなものでしょうか。これでも先代よりはかなり向上したようです。

駅伝効果への相乗りか、ショッピングサイト上ではずいぶん釣り上げた値付けをしていますが・・・

一部サイズを除き割と在庫は潤沢なので、購入するなら公式サイトで定価でのお買い求めをおススメします。

カーボンプレート入りはアリかナシか

しかし、カーボンプレートという飛び道具を内蔵する、他のシューズとは一線を画すシューズ。

水泳のレーザーレーサーと同じく 「これ使うのアリかよ!?」「規制が必要では?」みたいな議論がそこら中でされています。

管理人は

全くノープロブレム

と思いますね。規制するなんてもってのほかだと思います。

そう思う理由は2つ。

第一に

高めではあるけど、市販品。誰でも手に入れられる

税込定価価格30,250円は確かにランニングシューズとしては高額です。普通のシューズなら2~3足買えちゃう値段。

ただ、全く手の届かない価格かというと、そうとも言えません。 これを履くことでホントにタイムが伸びるならこのくらい出費しても惜しくないかも!と一般ランナーからも思わせる絶妙な価格設定。さすが世界のナイキです。商売上手。

また、メーカーが特定のプロ専用に供給するモデルではなく、市販品故に誰でも入手できるわけです。

ほぼ全員が履いているのならば、その大会では皆条件は同じ。

その意味では、今回の箱根ほど公平な実力勝負ってなかったんじゃないの?とすら思います。

まぁ、区間新記録の価値が薄れてしまう側面はあるかも知れませんが。

第二に

スポーツの進化=道具の進化

だと思うこと。

ゴルフだってそうです。

昔はパーシモンの木製クラブ、今はカーボンやチタン素材を利用した反発力の高い素材で、一昔前に比べると格段に飛距離が伸びています。

裸足で走らなきゃいけない、なんてルールが存在しない以上、よりスピードが出る、疲れにくい靴を求めるのは当然の欲求です。

ランナーは本来「俺はアシックス派」とか、シューズメーカーにはこだわりがある選手が多いはずなのに

これだけ多くの選手が履く、ということは他のシューズにくらべて圧倒的に効果・魅力がある、ということですよね。

まとめ

区間新記録が連発した箱根駅伝のスピードレースは、非常に見応えがあり、面白いものでした。

選手の努力や気候条件の良さもありましたが、やはり「ヴェイパーフライネクスト%」が大会を盛り上げたことは疑いのないところでしょう。

管理人も思わず「買っちゃおうかな・・・」と思わされましたからね。

今後は他メーカーもヴェイパーを強く意識したシューズを投入してくると思います。

そうなればより価格もこなれた、手の届きやすい高性能シューズが身近になると期待せずにはいられません。ナイキ以外のメーカーさん、是非是非お願いします笑

ただ、シューズが全てではないのもまた確か。

今回の箱根駅伝で管理人が一番感動したのは、最終10区、創価大学の嶋津選手が非ヴェイパーで圧巻の区間新記録を叩き出した場面でした。