【書評】非常識マラソンメソッド~ヘビースモーカーの元キャバ嬢がたった9ヵ月で3時間13分!

2020年11月19日

暇なお正月休みだったので、やることなかったんですよ。友達少ないし。

あ、もちろん少しはランニングに出てきましたよ。でも年間で最も寒いこの季節、頑張っても1時間半程度が限界です。ジム行ってトレッドミルでもやるべきか・・・

なので家でビールなど飲みつつ(ジム行かないのかよ)、ふと本棚を漁ってみるとこの本が。

プレミアムモルツは無関係ですが笑

岩本能史氏著の「非常識マラソンメソッド」です。

たまには座学も大事よな、ということでヒマなこの機会に読み直してみました。

とても挑発的なタイトルですが、書中で紹介されている練習内容は、非常識どころか理にかなっていると感じられるものが多数あります。

今回は、この本についてご紹介させていただきますよ。

第1章 ランニングの通説を鵜呑みにするな

この本が書かれたのは2010年の10月。なので現在のトレンドとはちと当てはまらない内容もあります。冒頭から恐縮ですが。

第1章では、レベルに関わりなくランナーはみな「薄底シューズ」を履くことを強く勧めています。

・薄底シューズの方が着地時に地面から跳ね返ってくるエネルギーを無駄なく推進力に変えられる

・厚底シューズはクッション性が高い代わりに安定性が低く、故障の原因にもなる

という理由からですが・・・

さすがにこれは2020年現在、当てはまりませんね・・・今やヴェイパー無双ですから。厚さは正義。

それに、厚底だから安定感がない、というのも一概には言えないのかな、と。厚底でも左右にブレたりしない安定性の高いシューズはたくさんあります。管理人愛用のカーボンXもそのひとつ。底面がデカくて安定感は抜群です。

確かに一時期は、初心者はともかく、上級者=薄底 みたいな時期がありました。今やその常識が完全に覆ってますからね。いやはや分からないもんです。

それ以外については、なるほど、と頷ける内容が多かったです。かかと着地は間違いとか、腹筋を鍛える必要はないとか、痩せたいなら朝ランがいいとか。

中でも「ゴール時間から逆算して5時間前に食べる」っていうのに一番納得しましたね。人によってフルを走り切る時間はまちまちな訳ですから、スタートの3時間前に食べる、という通説よりよっぽど説得力があります。

事実、管理人自身もゴールの5時間前に朝食を摂って臨んだ大会は調子よく走れた実感があります。

第2章 岩本流「超」効率的ランニングフォーム

第2章では、上半身・下半身のランニングフォームや走り方について書かれています。

腰を高いポジションに保ち、上下動を抑えて走るのが効率的、には納得。管理人もこの本を読んで以来、常に意識していることです。腰高だと疲れにくいんですよ、絶対。

ただ、上半身の動きで「肘を横に振ることでリズムをつくり、バランスをとる」というのは、

・・・うーん、どうでしょうか。

それこそ腕の動きは千差万別、人それぞれだと思うんですよね。実業団選手で忍者走りの方もいるし。

管理人もあまり腕は振らないタイプなので、ここはちょっとマネできないですね。

第3章 岩本流ビルドアップ走でみるみる速くなる

第3章からはいよいよ練習方法についてです。

走力を上げるためのポイント練習の一つとして筆者が重視しているのが、徐々に走るスピードを上げていくビルドアップ走

頻度は週1回、5kmごとにペースを上げて計15km走ります。但し、初心者がいきなり15kmはハードルが高いので5km+5kmの10kmビルドアップからスタートするのが良いとのこと。

管理人も、この本を読んでから結構ビルドアップ走を練習に取り入れるようになりました。距離はずっと短かったりと割とアバウトではありますが、とにかくスピードアップして終わる練習です。

終始イーブンペースで走るよりも達成感が大きく、頑張った!と思えるんですよね。

第4章 「峠走」でランニングの4要素を一気に鍛える

本書でビルドアップ走と並んで重視している練習がこの峠走

上り・下りのロードを走ることで、ランニングに必要な4要素

推進力・心肺機能・フォーム・着地筋

が一度にバランスよく鍛えられるという理由からです。

上りでは推進力と心肺機能、下りではフォームと着地筋がそれぞれ鍛えられます。片方を追い込んでいる時は片方が休んでいるため、4要素をそれぞれ効率よく追い込める密度の高い練習ができるわけです。

上りも下りもそれぞれ別の辛さがありますからね。

効果が高いのは分かっちゃいるのですが、中々足が向かないのが正直なところ。

第5章 岩本流フルマラソン3ヶ月プログラム

3ヶ月の練習でフルマラソンの結果を出すためのプログラム、ということで、1ヶ月目は成長期・2ヶ月目は鍛錬期・3ヶ月目はレースモード期と分けた練習方法が紹介されています。

どの期においても、ビルドアップ走と週末ロング走の組み合わせが基本となっていますが、初級ランナーにはかなりキツい内容かと思われます。成長期の段階で、いきなりキロ5分まで持っていく内容になってますから。

この練習をこなすことができる方は、恐らくサブ3.5なんて余裕で達成できるでしょう。

あまりタイム設定にこだわらず、ビルドアップ走とロング走というポイント練習をしっかり取り入れる、というところから始めていけば良いのかな、と思います。

第6章 自己ベスト必達のレースマネジメント

第6章はレース直前における練習方法と前日・当日の過ごし方について。

本書では通常のカーボローディングよりレース当日の糖質補給が重要、と説いています。

著者が勧めているのは「お餅」。ゆっくり消化されて長くランニングのエネルギーを補給してくれるというのがその理由とのことです。

管理人もレース当日は大福を食べることが多いです。

また、普段から「食べて走る」ことに体を慣らしておく、というのは同意。

慣れてしまうと腹が痛くなる、なんてことはほぼなくなります。

まとめ

本書で紹介されている練習内容は、初心者からみるとかなりハイレベルに感じられるものが多い故に「非常識」というタイトルになっているのではないでしょうか。

まったくの初心者よりも、むしろ伸び悩んでいる中級者向けに役立つ本だと思います。

初版発行から9年ほど経っている本なので、内容的には古いものがあるのも事実ですが、普遍的に役立つ内容も多く取り上げられていますので、是非ご一読をおススメします。2時間程度で読みきることができますよ。

練習書評

Posted by funfun