喫煙がマラソン・ランニングに与える影響は?加熱式タバコならマシ?管理人の実体験による徹底解説

2021年6月23日

ランナーにとって最も避けるべき嗜好物・・・それは「タバコ」。

いえ、ランナーのみならず、タバコが健康に良くないことは多くの人が知っています。自らの健康どころか、周囲の人にも受動喫煙によって被害をもたらしてしまう可能性もあり、喫煙者の数は年々減っています。

そんなご時世ではありますが・・・

実は私、ランナーの端くれでありながら「喫煙者」です。正確に言うと現在はIQOSユーザー。はい、不真面目ですいません。ごめんなさい。

走るのは大好きだから、少しでもタイムを縮めたいのはやまやまなんですが、いまだに止められないんですよ、困ったことに。過去、数度禁煙にトライしたことはあるんですけどね。

そこで今回の記事では

喫煙によるランニング・マラソンへの影響はどの程度あるのか?

を考察すべく、管理人の喫煙状況と大会記録タイムの関係について分析してみました。

吸わない人にとってはどうでもいい記事ですので、しゃしゃっと読み飛ばしてください。

タバコの三大有害成分

まずは、そもそもタバコの何が悪影響なのか?について。

タバコの煙には、約4,000種類の化学物質が含まれ、そのうちの200種類以上が有害化学物質といわれています。その中でも「三大有害物質」といわれるのが以下の3つです。

ニコチン

ニコチンは依存性の高い薬物で、喫煙すると約8秒で脳を刺激し、血中濃度は1~3分ほどで高くなります。また、血管を収縮させる作用があるため、脳や皮膚の血流を妨げます。血圧・心拍数も上昇するため血管の負担が大きく、心筋梗塞・脳卒中を起こす危険が高くなります。

あぁ・・・ランナーは心拍数上げたくないですね・・・

タール

フィルターに茶色く付着する油のようにべっとりとしたもので、いわゆる「ヤニ」と呼ばれるものです。タールには発ガン物質として有名なベンツピレンをはじめ、アミン類など数十種類の発ガン物質が含まれており、喉や肺にくっつくことでガンを誘発します。

あぁ・・・肺が真っ黒だとランニングどころじゃないですね・・・

一酸化炭素(CO)

酸素の約200~250倍の結合能でヘモグロビンと結合します。それによって血液の酸素運搬機能が阻害され、組織の酸素欠乏を引き起こします。 喫煙していると息切れがしやすいのもそのためです。

あぁ・・・ランニングは有酸素運動なのに酸素運べないなんて・・・

3大有害物質、ランナーにとってはろくな事がないのは間違いなさそうです。

加熱式タバコについて

しかし、良くないと分かっていながら、ニコチンの中毒性と長年の習慣によりなかなかやめられないのがタバコの厄介なところ。

そんな中登場し、一躍普及を遂げたのが、いわゆる「加熱式タバコ」です。

左から、グロー・アイコス・プルームテック

アイコスを筆頭に、グロー、プルームテックを合わせて3種類がメジャーどころです。新機種・後継機種を合わせると非常に多種類のデバイスが出回っており、いまや全喫煙者の24%強が加熱式タバコ/電子タバコを使っている(紙巻タバコとの併用を含む)とのデータもあります。(野村證券調べ)

この加熱式タバコの大きなメリットとして謳われていることの一つに、

有害成分を削減できる

ということが挙げられます。

完全にシャットアウトできるわけではないのですが、紙巻タバコと異なり葉を燃焼させないのでタールが発生しにくいという特徴があります。

タバコによって肺が真っ黒に、という状況になりにくい、ってことですね。

また、一酸化炭素も同様に燃焼によって発生する物質です。加熱式タバコは「燃やす」のではなく「蒸す」ので一酸化炭素が発生しにくいということも言えます。

ということは・・・

普通のタバコ→加熱式タバコに変えるだけで、タイムは改善するんじゃないの?

、というわけで、管理人が2年超の期間を費やして、データを取りました。

喫煙状況とマラソンタイムを相関分析してみた

管理人の紙巻タバコ喫煙歴はおよそ20年。2017年の3月までは20本/日ほどの喫煙量でした。大会前は数日間禁煙、などということもありましたが、それ以外はほぼ毎日吸っていました。

2017年4月にIQOSを入手。それからの1年間はIQOSオンリーで全く紙巻タバコは吸いませんでした。本数はほぼ変わらず20本/日程度。

2018年4月にはプルームテックに乗り換え。プルームテックはIQOSと比べるとかなり吸いごたえが弱く人気面は劣るデバイスです。ここからの1年はプルームテックをメインに使用。本数はやはり20本/日程度。

2019年4月、やはり吸いごたえに不満を感じたため、再びIQOSへ逆戻り。で、現在に至ります。本数は約20本/日。

グローについては検証していませんので悪しからず。

それぞれの時点でのマラソンベストタイムは以下の通り。

タバコの種類フルマラソンベスト ハーフマラソンベスト
~2017年3月紙巻タバコ3:38:431:34:33
2017年4月~2018年3月IQOS3:23:151:27:55
2018年4月~2019年3月プルームテック3:15:191:27:18
2019年4月~IQOS3:07:561:29:51

ちなみに管理人はフルマラソンを年に約3回、ハーフマラソンを年に約2回ほど走ります。 ウルトラマラソンや30kmレースはサンプルが少ないので除外しました。

こう見ると、明らかにタバコの種類によってベストタイムに変化が生じています。特に紙巻タバコ→IQOSに移行した時の伸びが一番顕著なのがお分かりいただけるでしょう。

それぞれの時期における体調の違い

ベストタイムの違いに加えて、それぞれの時期において感じる体調はかなり違いました。(数値的な裏付けは全く無く、あくまで管理人が感じた感想なので参考までに)

紙巻タバコ使用時

紙巻きタバコを吸っていると、明らかに体が重く感じます。

恐らく一酸化炭素(CO)の影響により、酸素が全身に行き渡らないのが大きな理由だと思うのですが、スピードが出ません。息切れ、とまではいかないものの、踏ん張りが利かず後半に大きくペースダウンするレースが多い状況でした。

体が重いので、自ずと練習量も少なくなるんですよね・・・。

IQOS使用時

紙巻→IQOSに変えると、1週間ほどで体が軽くなります。

これホント。

まず、血流が改善するのが実感できました。紙巻と比べるとニコチン量が少ないためでしょうが、手足の指先まで血流が良くなるのが分かるのです。この感じ、非喫煙者には分からない感覚でしょうが・・・指先がポカポカする感覚があるんですよ。

また、紙巻タバコ使用時はたまに「顔色悪いねー」と言われることがあったのですが、IQOSにシフトしてからは全く言われなくなりました。鏡を見ても顔に赤みがさしているのが自分でも分かりました。血流改善には間違いなく効果があるようです。

また、IQOSにすると、いわゆる「ヤニクラ」が無くなります。脳に供給される酸素が不足して「クラっ」とくるやつです。一酸化炭素をモロに吸い込むことが無くなったので体全体の動きが活性化される感があります。

体が軽くなると、自ずと練習量も増えました。IQOSに変えてからは、年間の走行距離が前年より700kmほど増加。必然的にタイムも良くなるってもんです。

プルームテック使用時

IQOS→プルームテックに変えると、更に体が軽くなります。

フルマラソンの後半でも頑張りが利くようになります。

プルームテックにも勿論ニコチンは含まれていますが、IQOSに比べるとごく微量。

そもそもタバコというより、ただ蒸気を吸って吐くというタバコの疑似体験に近いデバイスなので、プルームテックしか使用しないのであれば、非喫煙者とさして変わらない体調を保てると思います。

ちなみにこの時期の年間走行距離は、IQOS使用時よりも更に100kmほど増えています。

ただ・・・やはり絶対的に物足りない。飲み会の時などは満足できずに、紙巻タバコを購入し吸ってしまったこともありました。これはタバコを本気で卒業したい方が最終的に御守り代わりで使うデバイスでしょう。

てなわけで、現在はIQOSユーザー。1歩後退。

禁煙の効果

うだうだやってないでとっととやめちまえよ!という声が聞こえてきそうですが・・・

では、喫煙者がタバコをやめたら体にどのような変化があるのか?

健康への影響として以下のような変化があると言われています。

1 .1分禁煙すると:タバコのダメージから回復しようとする機能が働き始める。
2 .20分で:血圧は正常近くまで下降。脈拍も正常付近に復帰する。手の体温が正常にまで上昇する。
3 .8時間で:血中の一酸化炭素レベルが正常域に戻り、運動能力が改善する。
4 .24時間で:心臓発作の確率が下がる。
5 .48時間で:臭いと味の感覚が復活し始める。
6 .48~72時間で:ニコチンが体から完全に抜ける。
7 .72時間で:気管支の収縮が取れ、呼吸が楽になる。肺活量が増加し始める。
8 .2週~3週で:体循環が改善する。歩行が楽になる。肺活量は30%回復する。
9 .1~9ヶ月で:咳、静脈うっ血、全身のだるさ、呼吸速迫が改善する。
10 .5年で:肺がんになる確率が半分に減る。
11 .10年で:前がん状態の細胞が修復される。口腔がん、咽頭がん、食道がん、膀胱がん、腎がん、膵臓がんになる確率が減少する。

非喫煙者ランナーと同等になるには、相応の長い年月が必要ってことですね。意志の弱い管理人にとっては、もう暫くは難しいかもしれません・・・

まとめ

ランナーにとっては、勿論「禁煙」がベストなのは間違いないですが、難しい場合は、紙巻タバコ→加熱式タバコに移行するだけでもかなりの効果があることが実証できたと思います。

禁煙>プルームテック>>IQOS>>>>>>>紙巻タバコ

ってのが管理人の結論となりました。

タイムが頭打ちになったら、真剣に卒煙を検討します・・・

<2020年4月追記>

ついに不良ランナーの管理人も禁煙に踏み切りました。その理由と禁煙時の様子はこちらからご覧くださいませ↓

<2020年6月追記>禁煙2ヶ月達成できました!やればできる!その効果はこちらから↓

<2020年10月追記>禁煙半年達成です。こちらもあわせてどうぞ↓