【使用レビュー】ガーミンハートレートセンサーHRM-Runは必要か?使い心地と取得できるデータについて
管理人が日々師事しているガーミン先生。
別売アクセサリである
ハートレートセンサー(胸ベルト)HRM-Run
を使用することで、腕時計単体で使用するよりも更に、有用で多彩なデータを得ることができます。
今回はこのハートレートセンサーのご紹介と使用レビューをお届けしますよ。
↑2020年7月現在発売されているのはHRM4-Run。管理人が所持しているのはこの前モデルとなりますが、機能は変わりません。
ハートレートセンサーとは
さて、ハートレートセンサーって一体どんなものなんでしょうか?光学式心拍計搭載の時計があれば、そんなもの必要ないんじゃないの?
チッチッ。否。
これを使うことで、時計本体だけでは得ることのできない様々なデータをゲットできるのです。
なお、腕時計の心拍計は「光学式」、ハートレートセンサーは「電極式」という違いがあり、心拍の計測方法が異なります。
ガーミンHPでは、光学式心拍計の仕組みを以下のように解説しています。
血液中にはヘモグロビンが存在しています。ヘモグロビンは酸素の運搬量により、光の吸収率、反射率が異なります。この特性を利用し、Garmin のウォッチは緑の光で手首を照らし、それが皮膚を通過して血液中のヘモグロビンに反射、そのデータを収集して、心拍数を計測します。動脈の血流量は心臓の収縮と拡張に合わせて規則的に変化します。収縮すれば、ヘモグロビンの密度が上がり、より多くの緑の光を吸収します。拡張すればヘモグロビンの密度が下がり、より多くの緑の光を反射します。
GARMIN HPより
それに対しハートレートセンサー(電極式)は、
Garminハートレートモニターは心筋から伝達される電気信号を検出するコンタクトパッチが内蔵されています。
この信号はストラップのモジュールによって分析され、ANT+を介してお持ちのGarminデバイスに送信することでアクティビティ中の心拍データを追跡できるようになっています。
GARIN HPより
光学式と電極式では、検出の仕方が根本から違うわけですね。
なお、ハートレートセンサー対応機種は管理人が愛用するfenix5sを含めたfenixシリーズの他、ForeAthlete245~945、MARQなどたくさん。
こちらから対応機種が確認できます。
使用感について
実は管理人、ハートレートセンサーは何年も前から所持していたんですよ。
以前使用していたGARMIN ForeAthlete620Jとセットで購入したのです。
ただ、今までほとんど使ったことがありませんでした。
2~3回だけでしょうか、使った記憶があるのは。
長年放置プレイの理由は「煩わしさ」と「着け心地」。
走る前にこのように装着する必要があるのですが、ただ着ければよいのかというとそうではなく、装着前に
電極面を水で濡らす
という作業が必要となります。
静電気の発生を防ぎセンサーの発信を阻害しないようにするためなのですが、いちいち濡らすのは地味にめんどくさい。暑い夏場ならまだしも、冬は冷たいのが億劫ですし。
結果「今日は着けなくていっか・・・」が続き、いつの間にか疎遠になってしまったのです。
ちなみに、女性はおっぱいの下に着けるんでしょうかね?ボリュームによっては装着が大変な方もいそうな気がします。
何はともあれ、久しぶりに装着して走ってみることに致しましょう。
接続を確認し、いざラン開始。
ベルトは適度な伸縮性があり、どんなペースで走っていても上下にベルトがズレたり左右に回転してしまう、などということはありません。
圧迫感や重さも気にならず。
ただ、どうしても感じる「異物感」。余計なものを身につけている、という感触。
管理人は走る時に極力モノを持ちたくないタイプなので、尚更そう感じるのかも知れません。
まぁ、何度か装着を繰り返して慣れていくしかないのでしょうね。
取得できるデータ
ハートレートセンサーを使用することによって、心拍数以外にもデータを得ることができます。
ランニングフォームに関するデータを計測する「ランニングダイナミクス」と呼ばれる機能です。
ガーミン本体はもちろんのこと、ガーミンコネクトでデータの確認が可能。
上下動
上下動はランニング中に胴体部が一歩ごとに垂直方向へ移動した量を測定したもの。単位はセンチメートル(cm)です。
レースなどで後方から他人の走りを見ると、人によって千差万別で面白いですよね。上下の振り幅が大きな人もいればほとんど動かない人もいたりして。
一般的には、上下動が少ない方がエネルギーの無駄が減るため効率的であると考えられています。
また、上下動が少なくなることで下半身への衝撃負荷が小さくなるということも。
接地時間(GCT)
接地時間は、足が地面についている合計時間で、ミリ秒(ms=1000分の1秒)で測定されます。
一流ランナーになると多くは200ms未満、経験豊富なランナーだと、ほぼすべての人が300ms以下ということです。基本的には短ければ短いほど良いわけですね。
これは、足をすばやく「持ち上げ」て接地時にオーバーストライドしないようにすることを学んでいるためです。オーバーストライドは、足が上体よりもはるか前に着地するランニングスタイルで、走りにブレーキをかけ、長時間の足の接地につながります。
あわせて、左右の接地時間の割合を示す「GCTバランス」も確認することができます。もちろん左右均等に近ければ近いほど効率的な走りが出来ているということ。
ストレススコア
ハートレートセンサーを装着し、3分間リラックスした状態で心拍変動を測定し、体にどのくらいの負荷が掛かっているかを数値化してくれます。
スコアは1~100で表示され、数値が低いほど負荷が少ないことを示します。
乳酸閾値測定
乳酸閾値とは、乳酸(=疲労の原因となる物質)が血液中に蓄積し始める運動強度のことをいいます。
ランナーが乳酸閾値を上回る強度でトレーニングを行った場合、急激に疲労し始め、運動を維持できなくなります。経験豊富なランナーの乳酸閾値は、おおよそ最大心拍数の90%程度の心拍数での運動強度で、ペースにすると10km~ハーフマラソンを走行するペースに相当します。
一方、平均的なランナーの乳酸閾値は、最大心拍数の90%を大きく下回る強度となります。
自身の乳酸閾値に近い強度のトレーニングを行うことで、体に過度の負担をかけることなく効果的にトレーニングを行うことができるのです。
その乳酸閾値測定をやってみたのですが・・・
めちゃくちゃキツい。泣きそうになります。
この測定自体がもう超ハードトレーニング。
別記事にまとめましたので是非こちらもご覧ください。
光学式と電極式、どちらの心拍計が優れている?
皆さん気になるのはここだと思います。
同じく心拍計測ができるのなら、どちらがより良いのか?
・・・えー、結論から申し上げますと、それぞれ一長一短があります。
光学式のメリット
とにかく手軽に使えることが一番でしょう。何も意識せず、時計として装着するだけです。
毎日のように使用するものですからね、面倒くさくないというのはとても大事なことです。
光学式のデメリット
肌に直接接触させる必要がある=服の上から装着すると計測不可です。
そんなの特に問題ないよ!という方もいるかとは思いますが、管理人は北海道在住。厳冬期でも外に走りに出るのですが、時計を見るために袖を捲るだけで非常に寒い思いをします。
服の上から装着したい場合もあるんですよね。
そもそも寒い時期では腕への血流量が減少してしまうので、正確なデータを取得できないケースもあります。
また、ガーミンのマニュアルを見ると、デバイス装着面の皮膚に日焼け止めクリームやローション、虫よけスプレー等を塗布しないで下さい、との記載が。
これらを塗ると光を跳ね返し正しい計測の妨げになってしまうのでしょう。
電極式のメリット
心臓に近い位置に装着するので、光学式に比べより正確な測定が可能と考えられます。
事実、時計に内蔵の光学式心拍計と胸部ベルト式心拍計のどちらも計測が有効な場合には、胸部ベルト式心拍計で計測したデータが優先される仕様になっています。
電極式のデメリット
使用感のところでも書きましたが、電極面を濡らしてから装着したりと、とにかく手間がかかります。
そして何より、装着時の違和感。
まとめ
管理人の結論としては、
負荷の高い練習と乳酸閾値測定時のみ使用
することにしました。
やっぱり毎回だとめんどくさいし、ジョグペース時に上下動や接地時間計測してもあまり意味ないですからね。
特性を理解し、練習内容によって使い分けるのが賢い方法かと。
正直、ビギナーには必ずしも必要なものではないと思います。
ただ、ハートレートセンサーでしか取得できないデータがあるのは事実。
走りをより詳細に分析したい方は持っておいて損はないです。
管理人愛用のガーミン先生はコレです↓
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