オリンピックマラソン、札幌開催が決定!他イベントへの影響や問題点を考えてみた
約2週間に渡るすったもんだの末、東京オリンピックのマラソンと競歩の開催地が札幌に変更することで決着しました。
小池都知事のことは全く好きではありませんが、今回の一件はさすがにお気の毒。 大金を掛けて整備してきた東京オリンピックの花形種目であるマラソンが、あろうことか東京ではなく札幌で開催、となるとそりゃ小池都知事じゃなくても怒ってしまいますわな。気持ちは分かります。
事前の相談は東京都だけ蚊帳の外だったし、IOCは強引で聞く耳持たないし、今まで東京開催に向けて整備してきた費用や労力とか、既に販売されたチケットどーすんのとか、これから処理しなければいけない問題が山積みで残されてるし。
アスリートのことを親身に考えた結果なのか、単にドーハの世界陸上の惨状を見て慌てて動いただけのか、利権が絡んでるのか、 真意がさっぱり分からなくなってきました。
振り回された選手と東京都と、そしてこれから更にブンブン振り回されるであろう我が北海道と札幌市。
しかしながら、兎にも角にも札幌開催が確定してしまった訳ですから、これからのことを真剣に考えなければなりません。なんせ、あとたった9ヶ月しかないのです。
てなわけで、札幌開催における様々な課題を、札幌在住でランナーの端くれでもある管理人が市民目線・ランナー目線にて改めて考察してみました。
気温・湿度
そもそも招致段階から夏の東京の暑さは分かっていたはずなのに、なんで今頃バタバタするの?という議論はさておき「とにかく札幌の方が多分気温は低いだろうからこっちでやるんだよ、はい決まり」というのが今回の決定なわけです。
正式な日程はまだ確定していませんが、マラソンは8月上旬か、五輪最終日である8月9日に実施する可能性が濃厚。
<2020年2月追記>
女子マラソンは8月8日(土)、男子マラソンは8月9日(日)で日程確定です。
パラリンピックマラソンは9月6日(日)。
2019年8月上旬の東京と札幌の気温を見比べてみると以下の通りです。
確かに両者を比較すると、札幌の方が低いことは間違いありませんが・・・思ったより差がない、と感じる方も多いのではないでしょうか。札幌の夏も意外と暑いのです。
特に近年はますます気温が上がっているのを道民としても体感しています。昔はクーラーなんて全く必要性を感じなかったのに、今や必需品ですからね。
ただ、気温に加えてもう一つ着目すべきポイントがあります。それは「湿度」。
例えば8月2日、東京と札幌は共にピーカンでしたが、湿度では実に8%もの差が。東京ではよりジメジメしているわけです。(8日・9日の札幌は雨模様だったので必然的に湿度も高くなってしまっています)
管理人も東京出張が結構あるのですが、夏場はまとわりつくような湿気に毎回ゲンナリしてしまいます。
・札幌はカラッとした暑さ
・東京はジメッとした暑さ
この違いは一般人のみならず、ランナーにとっても大きいのは間違いないでしょう。湿度が高いと汗のかき方も変わってきます。
オリンピックという世界最高峰のレースな訳ですから、どうせならハイレベルな争いを見たいですよ。ガマン大会の末に途中棄権者続出、という最悪の結果になるリスクを少しでも減らす、という意味で今回の札幌決定には大きな意義があったと思います。
札幌で開催する分においては、スタート時間も午前8時くらいで充分いけるのではないでしょうか?
少なくとも東京案のように午前6時など極端に早くする必要はありませんから、選手のみならず観戦客にとってもメリットは大きいと思います。
<2020年2月追記>
スタート時間は午前7時で確定しました。
コース
当初の東京開催におけるマラソンは、メインスタジアムである新国立競技場を発着点として多くの観客の大声援を受けながら走るという、いかにもオリンピックの集大成、といった位置付けでした。
それがここにきて突然の変更決定。コースを早急に決定・整備しなければなりません。
札幌開催におけるコース案の基礎になりそうなのが、毎年8月に行われる北海道マラソンのコースを使用するという考えです。
発着点を札幌市豊平区に位置する「札幌ドーム」に設定するという案もありますが、札幌ドームは野球・サッカー用スタジアム。トラックの設置はできません。また、敷地内から外に出る通路が狭いなどという問題もあり開催までの時間的余裕がないことから、ドーム発着案は無いのかな、と個人的には思っています。
ドームから北海道マラソンコースに繋げるとなると、札幌市内の主要幹線道路の一つである国道36号線を長く封鎖することになってしまいますしね。あんまり現実的ではなさそうな気がします。
北海道マラソンのコースを流用するのであれば、日本陸連公認大会だけにコースの計測も比較的短期間で済みそうだし、警備や交通規制など、長年の開催で積み上げたノウハウを生かせる場面も多々あるかと思います。
もしかしたら北海道マラソンコース=オリンピックコースとなり、今後の大会人気が上がる、なんてことも期待できるかも知れません。
よろしければ管理人の北海道マラソン参加レポートもあわせてどうぞ↓
コースについて、ワイドショーではオグラさんとやらが道民感情を逆なでするようなずいぶん勝手なこと言ってるようですけど。あ、おヅラさんでしたっけ?失礼しました。
<2020年2月追記>
コースが確定しました。北海道マラソンコースの一部を使用する周回コースです。個人的には新川通嫌いじゃないんですけどね。
しかし、北海道マラソンのコースを使用するとしてもまだ課題は残ります。そのうちの一つが、この時期には札幌でもイベントがたくさん開催されている、ということ。
特に心配なのが、さっぽろ大通りビアガーデンとのバッティング。
さっぽろ大通りビアガーデンは、市内中心部から東西方向に長く伸びる大通り公園を使って行われる国内最大級規模のビアガーデン。会場の席数は約13,000席にも達します。
そしてその開催期間は、例年7月中旬~8月お盆前なのです。オリンピック期間ともろ被り。
短い北海道の夏の風物詩として、ビアガーデンに対する札幌市民の想いは特別なものがあります。
万が一、マラソンの円滑な運営を理由に2020年度のビアガーデンは中止・・・などということにでもなったら大問題。
オリンピック生観戦より生ビール飲みたい人の方が圧倒的に多いと思います。
・・・ウマいこと言ったなんて思ってないですよ。大真面目な意見ですからね。
マラソン好きの管理人でも、オリンピックかビアガーデンかどっちか選べ!の二択なら、躊躇なくビアガーデンを選択します。
<2020年2月追記>
ビアガーデンはまだ分かりませんが、北海道マラソンが休止になっちゃいました・・・軽くショック。
代わりにどの大会に出るか考えねば。
宿泊・交通アクセス
バッハ会長から見れば「日本なんて小さいんだから東京も札幌も変わんないじゃーん」って見えるのかもしれませんが、東京-札幌間は直線距離でも約800km。札幌開催となると選手・スタッフ・観客にとっては飛行機での移動と宿泊が必須となります。
浦安にあるのに東京ディズニーランド、というのとは訳が違います。
そうなると心配なのが宿泊施設の空き状況。すでに多くのホテルに問い合わせが多く入っているとの報道もあります。ただでさえ観光シーズンですからね。観戦を考えている方は早めに予約をしておいた方が良いかも知れません。
北海道マラソンのコースが基調となるのであれば、スタート&ゴール地点となる可能性が高い大通り近辺か、観戦ポイントとして評価が高い北大構内へのアクセスが容易な札幌駅北口近辺のホテルがコースから近くおススメです。
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まとめ
札幌市民にとっても、突然降ってわいてきたような今回の話。別にこちらから招致をした訳ではないのですから、オリンピックに興味のない人も含めた市民感情にも十分に配慮した上で色々なことを決定していってもらえれば、と思います。
これから、テロ対策や警備など、少なからず市や道で税金を投入していくことになるんでしょうから。
「そんな金あるなら震災復興支援やJR支援にもっと力を入れろ」などという意見も出てくるかも知れません。北海道知事・札幌市長は大変だと思いますが、経済効果などプラス要素も多分にあるわけですから上手に進めてくれることを期待しております。
個人的にはオリンピックを生観戦できるなんて機会は一生にそうそうあるわけではないですから、素直に喜ばしいことだと思っていますよ!
<2020年4月追記>
新型コロナウイルス騒動で、オリンピックそのものが1年延期になってしまいました・・・現段階ではマラソンはそのまま札幌開催の見込みですが、準備等はいったんリセット。まずはコロナをしっかり終息させることが何より大切ですね。
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